今月は、平成23年度税制改正により平成23年4月1日以降の相続から適用開始となる、相続税の改正についてご説明させて頂きたいと思います。
1、相続税とは
まず相続税とは、次の課税対象額が発生した場合に課税がされるものです。
課税される遺産総額- 基礎控除額= 課税対象額
つまり、基礎控除額よりも課税される遺産総額が大きければ相続税が課税されることになり、相続税の申告や納税の手続きが必要となります。このように、基礎控除額というものが設けられていることから、遺産を相続したすべての者が相続税の申告や納税の手続きをするわけではありません。実際、死亡者数に対する相続税の申告対象者数の割合は改正前であれば4%程度でした。したがって、大多数の方は相続税の申告対象とはなっていなかったのです。
少し、用語について補足しますと、まず「課税される遺産総額」とは、遺産相続される財産から債務や葬式費用その他制度上、相続税が課税されない遺産を除いたものに、相続時精算課税の適用を受けた贈与財産や相続開始前3年以内に贈与があった財産を足したものをいいます。
2、改正の内容
(1)基礎控除の改正
この相続税の基礎控除額が次のように改正されます。
改正前 5,000万円(定額控除) + 1,000万円×法定相続人の数
改正後 3,000万円(定額控除) + 600万円×法定相続人の数
たとえば、法定相続人が配偶者、子(2人)の場合、法定相続人の数は3となり、改正前は8,000
万円の基礎控除額ですが、改正後は4,800万円となります。
(2)制度上課税されない死亡保険金に係る非課税枠の見直し
相続とみなされる死亡保険金について、一定の非課税枠が設けられています。その非課税枠が次
のように改正されます。
改正前 500万円×法定相続人の数
改正後 改正前500万円×法定相続人の数(未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限る)
たとえば、法定相続人が配偶者、子(2人・いずれも成人)の場合で、配偶者のみ被相続人と生計
を一にしていた場合には、死亡保険金のうち改正前は1,500万円が非課税となりますが、改正後は
500万円が非課税となります。